断食といえば「宗教的行為」として行われてきましたが、現代ではダイエットや美容目的など、いわゆる「非宗教的行為」として活用されることが多くなっています。
今回解説するのは「非宗教的行為」の断食の適切なやり方・効果についてです。
その断食を行えばどんな効果が得られるのかについても、科学的データを用いて紹介します。
断食の適切なやり方を紹介
簡単に解説しますが、断食と言っても何種類もあるので、まずは「断食」の基本となることを説明します。
断食の3つの共通点
以下の3つです。
- 何も食べない時間を作る、また、特定の食べ物を一切食べない(数時間~最大1ヶ月)
- その間は「お茶」、「水」などの飲み物を除いて、何も摂取しない(カロリーがあるものを摂らない)
- 運動は体調と相談して行う
上記3つがどの断食でも共通することで、あとはこれにアレンジを加えたりするケースが多いですね。
適切な断食は4つ【やり方も解説】
適切な断食というのは以下の4つ。
これらは科学的データもあり、健康や美容効果も確認されている方法です。
- 日替わり断食
- 週末断食
- リーンゲインズ
- IPF
「日替わり断食」や「週末断食」は名前の通りで、それぞれ「1日ごとの断食」と「週末だけ断食する」という方法。
一方で「リーンゲインズ」と「IPF」の2つは、ダイエットで言う「カロリー制限」に近い方法となります。
日替わり断食のやり方
念の為解説すると「1日好きなように食べる、1日何も食べない」というサイクルを繰り返していく方法です。
食べるものの制限は特にありませんが、基本的にカロリーの質が高いものをチョイスすることが多いです。
週末断食のやり方
その週の土曜日か日曜日だけ何も食べない日を作る方法、あるいは、週に1日分だけ何も食べない日を作る方法です。
例えば、月曜日の朝ごはんを食べてお昼から週末断食をするなら、火曜日のお昼まで何も食べないようにします。
というように、1日分(24時間)何も食べないという方法になりますね。
リーンゲインズのやり方
簡単に説明すると「1日8時間だけ食物を食べる時間と、それ以外の16時間は断食」という断食方法になります。
時間は人によって変化を付けて構いませんが、基本的に断食する時間は「10時間~16時間」です。
IPFのやり方
インターミッテント・パーシャル・ファスティングの略で、「2日に1回の頻度で摂取食物を3割ほどカットし、タンパク質を摂取」する方法です。
具体的に解説すると以下の通り。
- 2日に1回、1日の摂取カロリーを3割ほどカット
- タンパク質を体重1kgに対し、最低1g摂取(例:体重60kgならタンパク質60g)
断食というより「カロリー制限」みたいですが、非宗教的断食として分類されています。
断食の効果3つを解説
以下の3つです。
- ダイエット(痩せやすい体に)
- アンチエイジング
- 健康改善
断食の効果①:ダイエット(痩せやすい体に)
断食を続けるとダイエット効果が生まれることは、ほぼ間違いが無い様子で、効果は「カロリー制限」と同じレベルです。
ただ、1日のカロリーをひたすら減らし続ける方法よりも、「食欲を抑制」する作用が強く出ることが判明していますので、ダイエット視点で見るなら断食を試す価値はあるかと思います。
断食のダイエット効果について詳しいことは以下の記事を参考に。
関連:【ダイエット】体脂肪を落とす効率良い方法は「断食」です【詳しく解説】
断食の効果②:アンチエイジング
具体的に言うと、以下のような効果です。
- 老化の防止
- 寿命が伸びる
- 肌がきれいになる
ただ、どれも「理論上」の話となっていますので、効果が実感できるのかは五分五分かもしれません。
データとしては以下の2つがあります。
- 2014年:プチ断食をすることで、体に適度なストレスを与えることができるので、体が活性化しアンチエイジング効果を生み出す(※関連)
- 2013年:動物実験のデータにて、断食を行うと約30%の寿命上昇(※関連)
- 2011年:マウス実験のデータにて、メスに断食を行わせたら肌質が改善した(※関連)
というように、断食をすることで体に適度なストレスを与えて体が活性化することで、免疫機能の改善や肌細胞の活性化に繋がるようです。
繰り返しになりますが、理論上の話なので効果が実感できるのかは五分五分です。
断食の効果③:健康改善
具体的に解説すると以下のとおりです。
- 血液サラサラ効果
- 免疫機能アップ
- ガン予防
- 脳機能の改善
- 整腸作用
- 活力アップ
- 睡眠の質上昇
など様々あり、科学的データもしっかりあります。
ただ、これらも実感できる効果としては五分五分の様子です。
- 2014年:レビュー論文にて、断食でLDLコレステロールが減少、血糖値も低下した(※関連)
- 2014年:マウス実験にて、断食を行わせてマウスは免疫力がアップ、感染症に強くなった(※関連)
- 2015年:断食でインスリン抵抗性が改善、乳がんリスクが低下する可能性が浮上(※関連)
- 2014年:断食をすると、神経系の炎症を緩和する効果あり、脳に影響あり?(※関連)
- 2006年:ファスティングセラピーは、下痢や腹痛に効果的な可能性(※関連)
- 2006年:断食を行うと睡眠中の途中覚醒が減った事例を報告、活力アップにも影響あり(※関連)
上記がデータになります。
内容を見るとわかりますが「マウス実験」だったり「論文」での内容なので、データの信憑性は高いんですが、実際に「実感できる効果なのか?」という疑問は個人的にもあります。
他にも、断食の良いことはたくさんある
例えば以下のようなことです。
- 食費が抑えられる
…食物を断つので、食べる量が減り、食費を抑えることができる - 我慢強くなる
…食べたいものを我慢するので、自然と我慢強い性格に - 意識を高く持てる
…「自分は断食する!」という強い意志を持つので、意識が高くなる - 食事をより美味しく感じることができる
…1食我慢するだけでも、食事が楽しくなる、美味しく感じる
これらに関しては個人的な見解もあるので人によって感じ方も変わってきますが、断食することで良い方向に変わるのは間違い無いと思っています。
結論:断食は「ダイエット」目的で行おう
断食には様々なやり方がありますが、適切な方法は4つ、それに伴う効果も非常に有意義ですが、主にダイエット効果が強く出るので、ダイエット効果を期待して断食を続けると良いでしょう。
今回解説した断食は以下の4つです。
- 日替わり断食
- 週末断食
- リーンゲインズ
- IPF
どれを実践しても、断食の効果は十分実感できるかと思います。時間がなくても出来ますし簡単です。
ちなみに、ダイエット効果として効果が高い順に並べると「日替わり断食 > 週末断食 > リーンゲインズ > IPF」という順番かなと、個人的には思っています。
重要なのは「健康を害してまで行うことではない」ということです。
必ず体調と相談して行うようにし、必要ならば医師との相談も行いましょう!
[st-kaiwa6]ライター:倉田 善和
男性向けコスメの企画、開発や男性向け美容アドバイザーとして6年、IT分野の記事執筆、監修も務める。ダイエット指導歴3年。[/st-kaiwa6]