今回は、「ベジタリアン」をテーマに、ダイエット視点から解説していきます。
以前、次のようなツイートをしました。
https://twitter.com/link_medical/status/1213653720086351877
ダイエットするなら #ベジタリアン になれ!って聞くことがあるんですけど、イマイチ納得が行かない…。
✅理由↓
・脳に必要な栄養素が足りなくなる(メンタルに影響が出る)
・DNAの合成に不可欠なビタミンB12が不足する
・カルシウムが不足しがちダイエット以前に健康に悪そう…なのでNGかも😅
文字数の関係で文章が少しおかしくなりましたが、要は「ベジタリアンになると健康的にあまり良くないよね?」ということで、ダイエットとかの問題より健康上の問題が出てきて、やめたほうが良さそう…。ということで、筆者はベジタリアンは否定的な考え方です。
そんな否定的な考え方を持つ筆者が、ベジタリアンのダイエットメリットを考え抜きました。
1.ベジタリアンにダイエットのメリットはあるのか?
結論を言うと1つだけ。
まず、ベジタリアンのメリットを書いてみます。次の通り。
- 健康意識が高くなる
- 野菜中心なので、やっぱり健康にいいかも
- 低カロリーな食事が続くので、最初は痩せそう
くらいでしょうか。ダイエット視点で見るならば、野菜中心の生活は摂取カロリーが低くなりがちなので、代謝が高いうちは体重がガンガン減りそうな感じ。
ただ、一旦代謝が下がれば体重も減らなくなるので、チートデイなどを設けて調節する必要はありそうです。
チートデイとは?
- 定期的に普段のカロリーに20%を上乗せした食事をする
- 2週間に1日程度行う
- 下っていく代謝を阻止して代謝を上げるための処置
ベジタリアンになると健康的になる
野菜中心になるので、間違いなく健康的にはなります。
実際の実験データ(※関連)もあります。これはイタリアで行われた調査で、過去に調査されたベジタリアンの観察研究データ96件をレビューした内容となります。データ数から見ても、信頼性は抜群ですね。
で、その調査から導き出された結果は次の通り。
- 心疾患のリスク25%減少
- がんの発症リスク8%減少
- コレステロール値が正常値
- 体重は少なめ
他の食事法と比べるとベジタリアンは凄く健康的!という内容になっていまして、現代人の食事よりベジタリアンが体に良いのは間違いないことがわかります。
ベジタリアンが健康的なのは「意識の高さ」が理由か
上記データで「ベジタリアンは健康的」という結果になったのは、単純に「ベジタリアンは健康意識が高いからでは?」という説が濃厚なんですよね…。
これに関しても、しっかりとデータがあります。
実際のデータ
1996年、オックスフォード大学の論文になります。(※関連)
実験内容は次の通り。
- 健康雑誌等で「健康意識が高い男女」を約11,000人ほどピックアップ
- 2つのグループに分けて17年の追跡調査を行った
- グループ1:ベジタリアン
- グループ2:肉や魚を普通に食べる
という感じですね。早速ですが上記データから判明したことは次の通り。
- 両グループとも、死亡率は同じだった
- 両グループとも、病気発症率は同じだった
- ダイエットに関しても、全く同じ
- 健康意識が高ければ、ベジタリアンが有利というわけではなさそう
ということで、特にベジタリアンだから体が健康的になる!ということでも無く、肉や魚を食べていても、健康意識が高いなら問題ないってことがわかりました。しかもダイエットに関しても同じ結果だったようで…。
結論:ダイエット目的でベジタリアンになるメリットはなさそう
確かにベジタリアンになれば野菜メインになるので摂取カロリーが減って痩せるっぽいですが、それに合わせて基礎代謝が下がれば、あとは低代謝でキープしていく感じになるので、痩せなくなるわけです。
ダイエットの視点から見ても、ベジタリアンになるメリットはほとんど無いのでは…?と思ってしまいますね。
まあベジタリアンになる理由は人それぞれですし、あくまでダイエットする目的でベジタリアンになる必要は無いってことなので、ベジタリアンを全否定するわけではありませんので、それだけはご了承を。
2.お肉は太るのか?【解説】
ベジタリアンを散々否定してきましたが、お肉が体に良いのか?という話をしていきます。
結論を言うと「肉と肥満は関係性あり」と言えるので、体に良いとは言えないかもです。
先進国では、肉を食べる人の方が太っている
肉を食べるほど太り、野菜を食べる人ほど痩せている人が多い傾向が、日本を含む先進国では多いために、肉と肥満は関係性があるといえるわけです。肉好きには辛い結果ですね…。
実際のデータ
2003年の研究になります。(※関連)
内容は次の通り。
- 38,000人分の健康データを分析
- ベジタリアン、肉や魚を食べる人のBMIを調査
という感じ。早速ですが結果が次のようになりました。
- 本当に野菜のみ食べるベジタリアン|BMI:22.4
- 卵と乳製品は食べるベジタリアン|BMI:23.3
- 魚を食べるベジタリアン(ペスクタリアン)|BMI:23.3
- 肉を食べる|BMI:24.5
ということで、肉を食べる傾向にある人ほどBMIは大きく、太っているということがわかりました。逆に野菜を多く食べる人ほどスリムな人が多いんだと。
繰り返しになりますが、ベジタリアンは健康意識が高いケースがあるので、このデータも正確とは言えないかもしれません。ただ、数値に明確な差がある以上、肉と肥満の関係性はやっぱりあるのかなと考えるしか無いですよね…。
肉を食べたほうが痩せるというデータもあり
肉を食べるほど太る傾向にあるというデータは先程紹介しましたが、今度紹介するのは「肉を増やすと痩せる!」という恐ろしいデータです。
箇条書きで紹介します。
- 2005年:19人の男女を対象にタンパク質摂取量を2倍に増やしたら、体重の減少を確認できた(※関連)
- 2005年:113人の男女にタンパク質摂取量を変化させて半年、肉の消費量が多い人は体重が減ったままだったことが確認された(※関連)
- 2012年:体重1kgに対し1.2gのタンパク質を肉で摂取したら、体型の改善につながった(※関連)
という感じ。肉の摂取量が多い人ほど痩せられるor体重をキープできるんだってことがわかったわけです。
これには明確な理由がありまして、「タンパク質は満腹感を感じやすいので、食欲をコントロールしやすくなる」ということがあるからですね。
筋肉を生成するための必要なエネルギー源でもあるので、代謝が上がり痩せやすくなることも理由としてあげられています。
補足:加工肉は太るので、やめたほうが良い
加工肉は脂が多いので、食欲が暴走して食べすぎてしまうことが多くなります。よって加工肉は太るので、食べないほうが無難です。
先進国の食肉は加工レベルが高いんですよね。なので普通に食事しているつもりでも、実は多く食べすぎているということがありますので、注意しましょう。
対策としては、「新鮮で脂肪分の少ない赤身肉を選んで食べる」方法が有効。
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結論:肉は食べ方次第で太る
肉を食べると太るデータがあったり、痩せるデータがあったりしましたが、結局は肉は食べ方次第で太ったり痩せたりすることが、これらのデータでわかったかと思います。
重要なのは、次の通り。
- 加工肉は食欲が暴走するので極力食べない(ベーコンとか)
- 新鮮で脂肪分が少ない赤身肉を選ぶ
- 低温調理を行うと尚良し
3.まとめ
以上、ベジタリアンのダイエットのメリットに関しての解説、および肉についての解説でした。
簡単に箇条書きでまとめてみましょう。
- ベジタリアンになれば健康的になるのは間違いない
- ただ、それは「健康意識が高まること」が理由の可能性大
- ダイエット視点で見ても、最初以外特にメリットが無い
- 野菜中心の生活になるので、摂取カロリーが減り、最初はガンガン痩せそう
- ベジタリアン生活でダイエットするなら、チートデイは設けること
- 肉は肥満との関連性あり
- 食べ方次第で太る
というように、ダイエットするからベジタリアンになるというのは、あまり得策ではなさそう。
ただ、肉は肥満との関連性があるので、何事も”ほどほど”に食べるほうが良さそうです。