よく、「コーヒーを飲むとニキビが増える!」「カフェインはニキビを悪化させる!」という情報を耳にしますが、全部嘘です。
これについて科学的データを用いて解説していきます。
1.コーヒーがニキビの原因というのは嘘という話
正確に言うと、「科学的根拠がない」ので嘘ということですね。
筆者自身も20年以上コーヒーを飲み続けていますが、ニキビが悪化したことも出たこともありません。
コーヒーがニキビの原因と言われていた理由
ざっくり理由を言えば、「飲み方」にあります。
ブラックで飲む人もいれば、砂糖を入れたりミルクを入れたりなどですね。
特にミルクコーヒーが好きで飲むことが多い人は要注意です。
コーヒーにも種類がある
一言で「コーヒー」といっても、人によって内容が違うことがあります。
例えば「ミルクコーヒー」だったり、「ブラックコーヒー」だったりと。中には「豆乳」を混ぜて入れる人もいますよね。
ニキビに影響しているのは「ミルクコーヒー」
主にニキビに影響するのは「乳製品」でして、コーヒーの中で該当するのは「ミルクコーヒー」です。
何故、乳製品がニキビに影響するのかは「2.ニキビの原因について解説」の項目で詳しく紹介しますので、こちらでは省きます。
ミルクコーヒーが好きな人は、腸内環境が悪化している可能性
コーヒーは苦くて飲めないけど、ミルクコーヒーなら甘くて飲めるよという人に多いですが、要は「甘くないもの」でも「甘いものに変える」ような人が、ミルクコーヒーを好む傾向にあって、腸内環境が悪化している可能性が高いです。
詳しい内容は「2.ニキビの原因について解説」の項目で解説しますが、腸内環境が悪化しているとニキビができやすいのは科学的にも証明されています。
そして、日本人の場合、牛乳に入っているような「ラクトース」を分解する酵素を持っていないんですよね。ラクトースをうまく分解できず、少量摂っても気が付かないうちにお腹を壊していることが多いんです。
というところで、まとめると↓
ミルクコーヒーを飲む
↓
ミルクにはラクトースが入っている
↓
日本人はラクトースを分解できないので、下痢や腹痛などの症状が出る
↓
腸内環境が悪化
↓
ニキビが出やすくなる
という感じでしょうか。
こういう事実が広まっていくうちに、「コーヒーはニキビの原因だ!」みたいな言われ方をするようになったのだと思います。
補足:牛乳も体に悪い
学校の給食にも出される牛乳ですが、日本人はラクトースを分解する酵素をほとんどの方が持っていませんので、体に悪いです。
昔は「カルシウムをたくさん取ると背が伸びる」とか「骨を強くする」と言われることがありましたが、そもそも牛乳はマグネシウム量が少ないので、万能なカルシウム食品とは言えないし、カロリーが多いので骨を強くするどころか、脂肪が増えて骨が弱くなることがあるわけです。
加えて、牛乳には「リン」というものが含まれていて、カルシウムと結合し吸収を阻害する働きがあります。
という感じで、カルシウムが豊富という事実はあるものの、マグネシウムの量が少なすぎることもあり、端的に言うなら「ただのカロリーが高い飲み物」という感じでしょうか。
個人的に、カルシウム目的なら「魚」や「アーモンド」のほうが良いと思っています。含有量も多いので。
2.ニキビの原因について解説
主に3つあります。次の通り。
- ニキビを悪化させる食べ物を多く食べている
- メンタルの悪化
- 消化器系の不調
それぞれ詳しく解説していきます。
ニキビの原因①:ニキビを悪化させる食べ物を多く食べている
大体の人に当てはまる理由が「ニキビを悪化させる食べ物を多く食べている」ということ。
以前の記事でも解説しましたが、ニキビの原因となる食品は大きく分けると次のようになります。
- 血糖値が劇的に上昇するもの
- 体内の炎症を引き起こすもの
以上の2つです。
炎症とニキビの関係については、メカニズムも科学的に確立されていますので、ほぼ間違いない内容です。
具体的に「ニキビを悪化させる食べ物」を紹介
以下の5つ。
- ファストフード
- オメガ6脂肪酸が豊富な食品
- 乳製品
- 精製された食べ物(精製穀物や精製糖)
- チョコレート
という感じに、乳製品以外にもたくさんの食べ物が該当します。
コーヒーにミルクを入れる人は要注意ですよ…?
実際のデータを紹介
以下、箇条書きにて紹介します。
- 2017年:ニューヨークにて、64人の参加者を対象とした研究で「精製された炭水化物を食べる量が多いと、ニキビの症状が激しく出る」ことが判明(※関連)
- 2012年:高脂肪でカロリーが多い食事(ファストフードとか)は炎症の元になる、西洋風の食事はIGF-1に悪いので、ニキビも増える(※関連)
- 2010年:中国にて、5696人の食事を調査、「高脂肪食はニキビのリスクを43%あげる」ことが判明(※関連)
- 精製油(オメガ6たっぷり)は酸化しやすいので、細胞ダメージに連鎖反応を起こす(※関連)
- 2005年:47,355人の女性を調査、乳製品のニキビ相対リスクは1.12~1.44だった(※関連)
- 2016年:バンコクにて、99%のダークチョコレートを定期的に毎日摂取すると、2週間でニキビが増加した(※関連)
という感じでデータも豊富なので、先ほど紹介した「ニキビを悪化させる食べ物」は、ほぼ間違いなくニキビが出たり増えたりするものと考えていいでしょう。
ニキビの原因②:メンタル悪化
ニキビとメンタルの関係についても多く言われていまして、「精神を病むとニキビが増えるよ!」というデータもあったりします。
実際のデータを紹介
2018年にイギリスで行われた健康調査になります。(※関連)
ニキビに悩む男女13万人を対象に、15年間追跡調査したという大規模な内容になっていまして、その結果、「ニキビと診断された人は、約5年後以内に鬱症状が出る可能性が63%高くなった」というもの。
つまり、ニキビとメンタルは強い関係があるということですね。
どういう関係性なのかは不明
「ニキビが悪化して鬱になる」もしくは「鬱になってニキビが悪化する」、どちらなのかは上記健康調査のデータでは不明でした。
ただ、「メンタル」と「ニキビ」は大きな関係があることは間違いなく、脳と皮膚は「脳皮膚軸」という「常に連絡を取り合っている」状態をしていることも分かっています。互いにコミュニケーションを取って、影響を与え合うような感じをしているとのこと。
ストレスでニキビが悪化したとか、脱毛症が出たという人も多いと思いますが、ニキビを対策するならメンタル面も常に管理していきましょう。
ニキビの原因③:消化器系の不調
ニキビの原因は体内の炎症と言われることもありますが、要は消化器官の不調がニキビをもたらすんじゃないかとも言われています。
実際のデータを紹介
2011年のニューヨーク州立大学の論文にて、過去70年の「体内の炎症とにきびの関係」に関するデータをレビューした内容で、次のことが判明しました。
- ニキビに悩む人ほど、口臭、便秘、逆流性食道炎という消化器系の病気が多い
- リーキーガットが悪化するほどニキビがひどくなる
- ロシアの研究では、ニキビ患者の54%は、腸内フローラが悪化していた(異常が見られた)
- 西洋スタイルの食事は食物繊維が極端に少ない、そのため、腸内の善玉菌が減少して、ニキビが起きやすくなる
- プロバイオティクスはニキビを治す効果が期待できる
という結論になりました。
ちなみに、馴染みない単語があると思うのでそれぞれ解説すると次のとおりになります。
- リーキーガット
…腸に穴が開いて、毒素が漏れ出しているいる状態 - プロバイオティクス
…善玉菌を詰め合わせたサプリメントのこと
プロバイオティクスについては当サイトをご覧になっている人は馴染みがあると思いますが、参考として以下2つの記事もチェックしてみて下さい。
関連:【断言】肌荒れを治すには「コスメ」より「プロバイオティクス」がオススメ
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消化器系の不調でニキビが出るメカニズムについて
具体的にニキビ発生のシステムをまとめると次のようになります。
- 砂糖や脂肪が多く、食物繊維が少ない食事を食べる、また、乳製品を摂る
- 腸内で悪性バクテリアが繁殖し、リーキーガットを引き起こす
- 全身に慢性的な炎症が発生
- 酸化ストレスとインスリン抵抗性が増大
- 体内のストレスに反応し、皮脂分泌量が上昇
- 結果、ニキビになる
以上がメカニズムです。
結論:ニキビはコーヒー以外の理由が大きい
というより、そもそもコーヒーはニキビの原因では無いということ、乳製品や砂糖、脂肪が多い食事ほどニキビが起きやすいということが、これで分かったかと思います。
長々話しましたが、結局言いたいことは、、
ニキビは「食べ物」と「メンタル」が大きく影響しています!
ということ。
コーヒーがニキビの原因になっているというのは嘘ですし、むしろ他に気をつけなきゃならない食べ物はたくさんあるよね?という話です。
3.コーヒーに期待できる効果
ここでの「コーヒー」は「ブラックコーヒー」のことを指します。主にカフェインについての効果になりますが、かんたんに説明すると以下の通り。
- ダイエット効果
- 運動能力上昇
- 注意力アップ
以上の3つです。
コーヒーの効果①:ダイエット効果
カフェインには様々なダイエット効果が期待できまして、普段からカフェインを口にしない人が飲むとかなりのダイエット効果が期待できます。
具体的には以下の効果になります。
- 体重やBMI、体脂肪の数値を減らす
- 食欲を抑制する
といった効果がありますので、カフェインは優秀なダイエット効果を生み出してくれます。
実際のデータを紹介
箇条書きにて紹介します。
- 2018年:カフェインとダイエットに関するデータ13件をメタ分析したところ、カフェイン1mg増やすごとに体重22%減少、BMI17%減少、体脂肪率28%減少と相関していたことが判明。飲めば飲むほどダイエットできるかも?(※関連)
- 2018年:体重1kgに対し1mgのカフェ員を飲んだら、カフェインを飲まないより摂取カロリーが減った。空腹感が減っていた。(※関連)
というように、カフェインは実際のデータでも「ダイエット効果があり」という結論が出ています。
ただ、注意点もありまして、「元からカフェイン慣れしている人には効果が出ないかも」ということが共通して言われていましたので、カフェインのダイエット効果を期待したい人は、1ヶ月ほどカフェイン断ちすることをおすすめします。
コーヒーの効果②:運動能力上昇
カフェインで運動パフォーマンスが向上することは有名な話でして、筋トレや有酸素運動でも、カフェインで普段よりパワーアップすることは科学的に認められています。
実際のデータだと2019年に公開された論文で、体重1kgあたり3mgのカフェインを飲んだ日は、カフェインを飲んでいない日と比べると「有酸素運動」「筋力」が向上していたことが分かっています。(※関連)
ただし、6日ほど連続で飲んでいたら、運動能力がベースラインに戻るということもあり、やはりカフェインは効果はあるものの慣れやすいので、定期的なカフェイン断ちは必須になりそうですね。
コーヒーの効果③:注意力アップ
こちらも人によって変わる効果ではありますが、カフェインを摂ると注意力がアップすることも確認されています。
といっても、普段からカフェインを摂取している人はやはり効果が薄くなることも分かっていまして、毎日カフェインを摂取するのはあまり良くないのかもしれませんね。
4.まとめ
以上でニキビとコーヒーの関係と、ニキビの原因、コーヒーの効果について解説を行いました。
少し長い記事になってしまいましたので、もう一度まとめてみましょう。
- コーヒーがニキビの原因というのは嘘
- ミルクコーヒーに含まれる乳製品がきっかけで、ニキビができた人が多かったので、この説が出た可能性
- ニキビは「食べ物」と「メンタル」が大きく影響している(コーヒーは影響しない)
- カフェインには様々な効果が期待できる
- ただ、カフェインは慣れやすいので定期的にカフェイン断ちが必要
ニキビはコーヒーが原因にはなりえないということ、ニキビを悪化させる食べ物は他にあり、それを食べ続けることでニキビが発生しやすくなるということがこれで分かったかと思います。
ニキビが多く出て悩んでいる方は、是非、今回紹介した「ニキビの原因」を避けてみてください。
また、以下の記事もチェックしてみて下さい。ニキビ解消に大きく役立つかと思いますので…。
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