
今回は「サラダを食前に食べるダイエット」というテーマで解説します。
以前、以下のようなツイートを行いました。
https://twitter.com/link_medical/status/1214048713443700736
食前にサラダを食べるダイエットって意外と効果的なんですよね🥰 このメリットは ・摂取カロリーが減る(データでは94kcal減少) ・食物繊維が食欲を抑える という感じなので、自然とカロリー制限ができる理想のダイエットが可能🥰🥰 できるだけ素材に近い形で摂るのがコツ🎉
ということで、上記ツイート内容を深堀りしていく内容になります。
1.サラダを食前に食べるダイエットは効果的か
結論を言うと、効果的です。
以前は「食前にサラダ食べると痩せるぞ!」とか「食前に水を飲みまくれば食べる量が減らせるぞ!」みたいな感じで言われていましたが、科学的根拠がありませんでした。
なんとなく正しい意見に聞こえるものの、科学的視点では、結構疑問が多かったんですよね。
そこで調査された研究は「食前のサラダで食欲が収まるのか?」という疑問を追求した内容となります。
食前サラダで総摂取カロリーが減ることが判明【データあり】
イランで行われたメタ分析になります。
質が高いダイエット研究35件を選出して分析しています。
内容は次の通り。
- 参加者は全部で1,273人
- 2パターンに分けて実験
- パターン1:食前にカロリーが低いものを摂取(主にサラダ、水)
- パターン2:食前にカロリーが高いものを摂取(チーズ、脂肪分など)
- どちらのパターンが、食欲が低下するのかを調査、比較
という感じで、ストレートにサラダの有効性を調べていますね。メタ分析でこれが調査されたのは非常に参考になりますね…!
メタ分析の結果
- 食前に食物繊維を摂ると、総摂取カロリーが減少した
- 食前に水分を摂ると、総摂取カロリーが減少した
- 平均で94kcalが減少
- 食前の脂肪分は、摂取カロリーに変化がなかった
- 食前に糖質を減らしたら、摂取カロリーが増えた(平均で52kcal)
- 水分、食物繊維の摂取カロリーが減少する効果は、すぐに消える
という感じになりました。重要なのは赤マーカーの部分でして、食前のサラダは有効なものの、効果はすぐ消えるということなので、あくまで食前に摂った時だけの効果ということもわかりました。
食前の脂肪分は意味がなく、食前に糖質を減らしたら摂取カロリーが増えるなど、中々面白い結果になっていますね。
食前に糖質を減らすと摂取カロリーが増える理由
- 糖質をとると満腹ホルモン(インスリンなど)が出る
- 糖質を減らすと、満腹ホルモンが出ないので、空腹感が強く出る
- 結果、食べすぎてしまう
食前のサラダで摂取カロリーが減る効果は、すぐ消える
あくまで”食前”だけの効果という結論になっていますので、ここは注意ですね。
例えば、朝サラダを沢山食べても、摂取カロリーが減らせる効果が見込めるのは朝食だけで、昼食や夕食にも同じ効果が欲しい場合は、それぞれでサラダを食前に食べる必要があります。
まあ毎食の一番最初にサラダを食べる!って心がけるだけで、ダイエットにも貢献してくれるし、健康にもいいので良いことばかりですね!簡単に実践できるので試す価値はありそうです。
2.食前に食べるサラダは”何が有効”か
食前に食べるサラダは何が有効かを話していきます。結論を言うと「素材の原型に近い形で食べることが重要」となるので、何が良いのかというのはそこまで重要ではなかったりします。
リンゴで比較したデータでは、まるごとリンゴを食べたほうが良いことが判明
食前のサラダはダイエットに効くことが判明しましたが、先程も言ったように「素材の原型に近い」方が効果があるとのことです。
リンゴでの比較データがありますが、その時の内容は次の通り。
- アップルジュースを飲む
- アップルジュースに食物繊維を加える
- アップルソースでサラダを食べる
- リンゴをそのまままるごと食べる
上記4パターンで比較した場合、「リンゴをまるごと食べた」場合が最も摂取カロリーが減った結論となりまして、次が「アップルソースサラダ」、「アップルジュース+食物繊維」で、一番効果が薄いのは「アップルジュース」を飲んだ場合となりました。
しかも、アップルジュースのみの場合は摂取カロリーに変化がなかったとのことで、食欲を抑える効果が無いことも判明。
やはり食前サラダ効果は、「素材に近いものを食べるほど効果が高くなる」ということなので、面倒な調理はせず、そのままサラダとして食べたほうが無難です。
一番有効な素材は何か【データから選出】
先に結論を言うと、次の通りです。
- 茹でじゃがいも
- タラ
- オレンジ
- オートミール
- リンゴ
- ぶどう
- 全粒粉パン
- 全粒粉パスタ
- ベイクドビーンズ
という感じ。茹でじゃがいもに至っては満腹感の数値がずば抜けて良かったということで、食前に食べるのは茹でじゃがいもがおすすめ。
実際のデータでの食品別満足度リスト
実際のデータはシドニー大学の研究で、食品満足度を数値化した内容です。(※関連)
調査方法は、参加者に特定の食品を240kcalずつ摂取してもらい、「満腹感」「その後の食事量」を調査しています。基準は「食パン:100%」で、それぞれの食品の満足度を定めた形となります。
結果の一部を抜粋すると、次の通りになります。
クロワッサン | 47% | ケーキ | 65% |
ドーナッツ | 68% | クッキー | 120% |
クラッカー | 127% | 食パン | 100% |
フライドポテト | 116% | パスタ | 119% |
玄米 | 132% | 白米 | 138% |
黒パン | 154% | 全粒粉パン | 157% |
全粒粉パスタ | 188% | 茹でじゃがいも | 323% |
レンズ豆 | 133% | チーズ | 146% |
卵 | 150% | ベイクドビーンズ | 168% |
牛肉 | 176% | タラ | 225% |
オートミール | 209% | バナナ | 119% |
ぶどう | 162% | リンゴ | 197% |
オレンジ | 202% | ポップコーン | 154% |
という感じですね。
このデータから分かったこと
- 食物繊維、タンパク質、水分が多い食品ほど、満足度は高くなる
- 個々の食品で数値が段違いなので、数値が高い食品ほど、食欲抑制の効果が高まる
- 高脂肪の食品は満足度が低い
- 炭水化物は糖質なので、満腹感はアップする
ということで、茹でじゃがいもの満足度が最高であると。じゃがいもは食物繊維やタンパク質、茹でれば水分も多くなるので一番良い結果になっているわけですね。
炭水化物で満腹感が良くなるのは当然ですね。糖質制限ダイエットの世界で言うなら真逆の結論ですが、糖質を摂るとインスリンが上昇しますし、インスリンには空腹を抑える効果がありますからね。上記データの結果は納得です。
ということで、上記データを参考に食前に食べるサラダを決めてみてくださいな。
3.まとめ
以上、サラダを食前に摂るダイエットに関しての解説になります。
具体的に食材もチョイスしてみましたが、かなり良いデータから選出していますので、信憑性も結構あるかなと。
まとめると次の通り。
- 食前にサラダを食べることはダイエットに有意義な効果をもたらす
- できるだけ「素材に近いもの」を食べること
- 食物繊維、タンパク質、水分が多いものほど、満足度は高くなる
- 最強は「茹でじゃがいも」
サラダを食前に食べるダイエットが有効なのは、個人的に驚きでしたが、まあよくよく考えるとその通りなんだなぁと。
茹でじゃがいもがずば抜けて優秀なのも驚き。
とにかく食前に茹でじゃがいもを1個くらい食べておけば、その食事の摂取カロリーを抑えられるので、ダイエット中にはオススメです。
お腹の調子も良くなるので、茹でじゃがいもはストックしておきましょう!