
ダイエットには「タンパク質が重要である」という話は以前の記事でも話したとおり。
では、「植物性タンパク質」と「動物性タンパク質」ではどちらが良いのか?という問題について、この記事では深堀りしていきます。
1.植物性タンパク質と動物性タンパク質の違い
次の通り。
- 植物性タンパク質
…植物由来のタンパク質。大豆や野菜、小麦などに含まれる - 動物性タンパク質
…動物由来のタンパク質。肉類や魚介類、卵、乳製品などに含まれる
という感じです。そのままですね。
それぞれのタンパク質の”中身”にも違いがありまして、最大の違いはアミノ酸です。
アミノ酸含有量のバランスに差がある
一番の違いは「アミノ酸スコア」です。
簡単に次の通りまとめます。
- 植物性タンパク質
…セリン、フェニールアラニン、ロイシン、メチオニンが豊富。リジンがほとんど含まれていない。吸収率約85% - 動物性タンパク質
…ほとんどのアミノ酸が含有。タンパク質含有量が豊富。吸収率約95%
という感じで、上記を見る限りでは「動物性タンパク質」のほうが優秀かも?と思えますね。
2.データ上では「植物性」「動物性」はどちらが優秀か
結論を言うと、「植物性タンパク質」のほうが優秀です。
過去のデータで比較【実際のデータ】
有効なデータは2つあります。
1つ目のデータ:海外のメタ分析
2016年のメタ分析になります。(※関連)
21,523人分のデータで、約11年ほどの経過観察という感じですね。データ量や観察期間を見る限りでは現状で一番期待できそうな内容です。
結果は、次の通り。
- 植物性タンパク質の悪影響はほぼなし
- 動物性タンパク質は「糖尿病」が悪化する恐れがあった
という感じ。
タンパク質含有量で言えば動物性タンパク質のほうが優秀なものの、悪影響が出るかも?ということで、安全性面を考慮するなら「植物性タンパク質」を選択したほうが良さげ。
2つ目のデータ:日本での研究
では、日本人ではどうなの?ということで、日本で調査された内容もありました。
こちらは国立がん研究センターが1995年から収集していたデータを使った研究でして、参加者は70,696人分。年齢は45~74歳くらい。日本内の研究規模としては過去最大のデータになります。(※関連)
調査したのは「日常で食べている内容」と、「癌や心疾患などで亡くなった方とのデータを比較」というもの。
要するに、「海外では動物性タンパク質はヤバいけど、日本人だとどうなの?」というシンプルな疑問を追求した研究内容ですね。
結果は、次のとおりになりました。
- 植物性タンパク質を頻繁に食べる人は、摂らない人と比較すると心疾患で亡くなる確立が16%減少、また、早期死亡率が13%低いことが判明。
- 動物性タンパク質を多く消費する人の総死亡率の変化はハッキリ関係性がなかった。
- 普段食べる牛肉、豚肉を、植物性タンパク質や魚に置き換えるだけで、早期死亡率は46%減少、癌での死亡率も50%減少。
という感じになりました。
要は「日本人の場合は動物性タンパク質を日頃からたくさん摂取しても、健康上は問題ないのでは?」ということが言えるわけです。
ただ、普段食べる動物性タンパク質の一部を植物性タンパク質に変えたら、もっと健康的に良いってことも判明。
「動物性」か「植物性」かで比較するなら、「植物性」の方が良いよ!ってことですね。
補足:食べたほうが良い植物性タンパク質
次の通り。
- ほうれん草
- ジャガイモ
- ナッツ系
- 豆
- ブロッコリー
という感じで、上記のものを日頃から食べると良いでしょう。
ただし、植物だけで必要タンパク質を満たすのは難しいです。冒頭でも説明した通り、「動物性タンパク質」の方がタンパク質含有量が多く、「植物性タンパク質」はタンパク質含有量が比較的少ないからですね。
3.タンパク質の摂取ガイドライン
ざっくりと解説すると、次の通り。
- 主に摂取するタンパク質を「鶏肉」また「魚」に置き換える
- 植物性タンパク質も少量でも良いので摂取
- 牛肉、豚肉は極力控える
- 加工肉はNG(過去のデータでボロクソに批判されているため)
上記のような方法が良いでしょう。
鶏肉は海外でも国内でも「総死亡率の上昇に相関しない」ため、鶏肉は積極的に食べ、あとは魚にする。そして、そこへ少量の植物性タンパク質を摂るような感じ。
このような方向がベストですね。
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4.まとめ
以上、「植物性タンパク質」と「動物性タンパク質」の違いと、オススメのタンパク質食品になります。
ダイエットするにもタンパク質は必須ですし、40代を超えた辺りから必要タンパク質はガンガン増えていきますので、積極的に取り入れていきましょう。